テレビを観ていて「この人のコメントなら聞いてみたい」と思える存在がいます。
私にとっては、イチローさん、本田圭佑さん、カズレーザーさん、そして元陸上選手の為末大(ためすえ だい)さんがその一人です。
為末さんは400mハードルで世界陸上2度のメダルを獲得したトップアスリート。
引退後はコメンテーターとしても活躍され、深い視点に何度も感心させられてきました。
そんな自分が今回紹介したい本が、為末大さんの著書 『諦める力』です。
「諦める」の本当の意味

タイトルを見たとき、多くの人が「断念する」「やめる」といったイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし為末さんは、ある住職との対話をきっかけに「諦める」を「明らめる=あきらかにする」と捉えるようになったそうです。
つまり「自分の才能や状況を明らかにして理解し、今の自分を悟る」ということ。
漢和辞典で「諦」には「さとり」という意味があると知ったときは、驚きました。
日本人と「諦めない美学」

為末さんは本書で、日本人は「諦めずに頂点を目指す物語」を好むと指摘しています。
たとえば、プロ野球やサッカーで契約が切れた選手が現役続行をかけて挑むトライアウトは毎年放送されますが、20代で引退を決める選手の姿が取り上げられることはほとんどありません。
確かに「諦めないこと」は美徳として語られがちです。
けれど、もしその競技に向いていないのに惰性で続けていたら?
本当は他の分野で活躍できたかもしれないのに?
そう考えると、「諦める=明らめる」という視点はとても新鮮でした。
立ち止まって考える勇気
「何事も続けることが大切」と信じて疑わない若い世代も多いと思います。
コーチや親の期待に応えるあまり、自分の気持ちを置き去りにしてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、立ち止まって「このままでいいのだろうか?」と自分に問い直すことは大切です。
為末大さんの『諦める力』は、そのきっかけを与えてくれる一冊でした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
もし共感や気づきがあれば、ぜひコメントで教えてください。あなたの意見も聞いてみたいです。


コメント