テレビを観ていて
「この人だったらなんてコメントするのだろうか」と期待してみてしまう人がいます。
イチロー、本田圭佑、カズレーザーなどが自分にとってのそういう人たちです。
他にもいますが、その中の一人が元陸上選手の為末大(ためすえ だい)さんです。
400mハードルの選手で世界陸上で2回メダルを取っている方です。
為末さんは以前朝の番組でコメンテーターをやっていて、
その時に見ていて話していた内容に感心したことがあります。
それ以来為末さんの言葉に興味を持つようになりました。
今回紹介したい本はその為末大さんの2013年出版の本、
「諦める力 著者:為末大さん」です。
陸上選手の時の為末さんのあだ名の一つに「走る哲学者」というのがあったそうです。
この本もタイトルから哲学的なものを感じます。
実際読んでみると哲学を感じる内容でした。
「諦める」ではなく「明らめる」
「諦める」という言葉からどんな意味を思い浮かべるでしょうか。
「断念する」や「やめる」ということだと思います。
為末さんは「諦める」には別な意味があるということを、
あるお寺の住職さんとの対談で知ったそうです。
それは「明らめる」という言葉で、意味は「あきらかにする」「はっきりさせる」だそうです。
そして、漢和時点で「諦」を調べると「さとり」という意味もあるそうです。
実際調べてみたらありました。
このことから為末さんは「諦める」という言葉を
「自分の才能や能力、置かれた状況などを明らかにしてよく理解し、今、この瞬間にある自分の姿を悟る」
「諦める力」本文より
ということではないかと思うようになったそうです。
アスリートの方が諦めることについて語っているのは新鮮でした。
為末さんもこの本の中で書いていますが、
特に日本人は、諦めないで頂点に上り詰めたストーリーを好むそうです。
実際、野球やサッカーで契約が切れた選手が現役続行を目指すトライアウトは毎年放送されます。
諦めないストーリーが好まれるためだと思います。
20代半ばで引退を決意した選手の特集はほとんど見ることが無いのも、それを表していると思います。
諦めないことで成功できないかもしれない
「諦めずに続けたのでここまでこれました」
こういった言葉をアスリートから聞いたことはあると思います。
このセリフを聞いて、もしかしたら他の分野で成功を収められたかもしれないのに、
向いてないことを諦めずに続けてしまうことが起きるかもしれません。
もちろん本人がそれを分かった上で行なっているのであれば問題ありませんが、
自分がやめたいのに続けるということはするべきではないと思いました。
当然のことのようですが、
周りからの応援があるとやめるという選択肢を取るのが難しくなるようです。
こういった聞いたら冷めてしまうような誰も話さないことが聞けるのは、
自分の頭の中に新しい意見として入るので個人的には嬉しいです。
自分で考えることをせずに、「何事も続けることが大切」だと考えてしまう人はいると思います。
特に子供や若い人だと、コーチや監督、親の言うことを信じて疑わなかったりすると思います。
前に進むのではなく、
立ち止まって「このままでいいのだろうか?」と考えるきっかけになる本だと思います。
ぜひ読んでみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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