ニュースで事件を見たとき、「なぜこんなことが起きたのだろう」と思うことがあります。
けれど、その背景まで語られることはほとんどありません。
辻堂ゆめさんの小説『今日未明』は、そんな語られない部分に目を向けた作品でした。
この記事では、読んで感じたことと、そこから考えたことをまとめます。
テレビで紹介されていて気になった一冊

この本を読もうと思ったきっかけは、テレビ番組でした。
番組で紹介されているのを見て、「ちょっと読んでみようかな」と思い、手に取りました。
軽い気持ちで読み始めましたが、読み進めていくうちに思っていた以上に心に残る作品でした。
「この人は人を殺す」と分かった状態で読むつらさ

この小説は、5つの短編で構成されています。
それぞれの物語は、最初にニュースが読み上げられるところから始まります。
つまり読者は、「この人は人を殺す」と分かった状態で読み進めることになります。
ページをめくりながら、何度も思いました。
「今からこの人は人を殺すんだ」
登場人物の何気ない言葉や行動を見るたびに、その先にある結末を考えてしまいます。
そのたびに、読むのが少し苦しくなりました。
人が変わっていく姿が印象に残った

この小説で特に印象に残ったのは、人が変わっていく過程でした。
登場人物たちは、出来事や環境をきっかけに少しずつ変わっていきます。
しかもその変化は、決して悪いものではなく、むしろ前に進もうとするようなものでした。
だからこそ、読んでいて苦しくなります。
この先に何が起きるのかを知っているからです。
読むのが、少しつらく感じる瞬間が何度もありました。
読み終わったあと、ただ悲しい気持ちが残った

この本を読み終わったとき、残ったのは驚きでも爽快感でもありませんでした。
ただ、悲しさでした。
読んでいて楽しい小説ではありません。
むしろ、読んでいるあいだも、読み終わったあとも、胸に重い感情が残る作品でした。
それでも、なぜか忘れられない余韻があります。
この本を読んでニュースの見方が少し変わった

この本を読んでから、ニュースを見るときの感覚が少し変わりました。
ニュースでは、ときどき「殺人事件」が報道されます。
でもニュースでは、事実が短く伝えられることがほとんどです。
この本を読んでからは、「きっとニュースでは語られていない背景があるんだろうな」と考えるようになりました。
人が人を殺すときには、きっと簡単には説明できない事情があるのかもしれません。
SNSの軽い言葉を見てモヤっとする理由

ニュースが流れると、SNSにはたくさんの意見が書かれます。
でも、見ていてあまりいい気持ちにならないことが多いです。
好き勝手なことを書いている人も多く、見ていて嫌な気持ちになることがあります。
この小説を読んだあとだと、なおさらそう感じました。
物語の中では、人が人を殺すまでの心の変化や背景が丁寧に描かれています。
だからこそ、簡単な言葉で断定してしまう意見を見ると、少しモヤっとしてしまうのかもしれません。
「なぜ小説家はこんな悲しい話を書けるのか」

読み終わったあと、もう一つ考えたことがあります。
それは、「小説家はどうしてこんな悲しい話を書けるんだろう」ということでした。
でもきっと、ただ悲しい物語を書きたいわけではないと思います。
人の心の複雑さや、事件の背景にある事情。
そういったものを、読者に考えてほしいのかもしれません。
『今日未明』はこんな人におすすめ

この本は、明るく楽しいものではありません。
ですが、次のような人には心に残る作品だと思います。
- 事件の背景を考えるような小説が好きな人
- 人間の心理を描いた物語を読みたい人
- ニュースを見て「この出来事の裏には何があったんだろう」と考えることがある人
悲しいけれど、考えさせられる小説だった

『今日未明』は、読んでいて楽しい小説ではありません。
むしろ、読みながら何度も胸が重くなるような作品でした。
それでも、この本を読んだことで、
- ニュースの背景を想像するようになった
- 事件の裏にある事情を考えるようになった
そんな変化がありました。
悲しい物語ですが、人の心や社会について考えさせられる小説だったと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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