今回紹介したい本は
「感動する! 数学(著:桜井進さん)」です。
2009年11月発行と10年以上前の本で、自分は2010年に書店で働いていた時に見かけて読みました。
歌手の一青窈さんが「数学はロマン」と帯コメントを書いていたのを覚えています。
自分は数学が好きでタイトルに惹かれて読みましたが、
数学が好きではない人にも読んで欲しいと思う内容でした。
数学という言葉で敬遠してしまうかもしれませんが、
数学が好きではない人でも感動もしくは関心を持てることが一つはあると思います。
感動ポイント|数学の世界では不可能が可能になる

計算上、紙を43回折ると月に届きます。
一般的な紙の厚さは0.08mm、1回折ると0.16mm、
もう1度折ると0.32mm・・・とどんどん増える幅が大きくなっていきます。
42回折ると約35万kmとなり、43回目で70万kmとなります。
地球から月までは約38万kmですので届くどころか超えています。
なので、紙を43回折ると月に届きます。
しかし、紙を43回折るのを実際に行うのは難しいというか不可能です。
そんな不可能なことが数学の世界では可能になります。
実際にできないのに無理やりすぎるかもしれませんが、
「計算上できるから実際にできたら・・・」と考えると数学には夢や希望が詰まってると思いました。
最初に書いた一青窈さんの帯コメントの「数学はロマン」というのも納得できます。
読んで思ったことその1|数学には人間が手に入れられないものがある

他にこの本を読んで自分が思ったのは、数学には人間が手に入れられないものがあるということです。
それは永遠に完璧であることです。
例えば歴史だと新しい発見がされて、それまで信じられていた歴史が変わることがあります。
科学でも「人体に影響はない」とされていたものが、「悪影響がある」と変わることがあります。
数学では一度証明をされればそれが覆ることはまずありません。
2000年以上前に発見されたピタゴラスの定理が今も否定されないように、
時間が経ってから否定されることがほとんどありません。
このことから「永遠に完璧である」ということを感じました。
読んで思ったことその2|人間らしさを感じる「6」

永遠に完璧で人間にはないものを感じる数学ですが、
逆に人間みたいだなと思う部分もありました。
それは数字の「6」です。
6は数学の世界では完全数と言われます。
完全数とは、自分を除く約数の合計が自分になる数字です。
6の約数は1、2、3、6。
自分を除く約数を足すと、1+2+3=6。
このような数字を完全数と呼びます。
ちなみに6の次に大きい完全数は28です。
数学から離れてしまいますが、キリスト教においては「6」は不完全な数字です。
完全を意味する「7」に一つ足りないためです。
数学の世界から見たら完全であり、キリスト教の世界から見たら不完全なものになります。
人によって評価が変わるみたいで、「6」は人間みたいだなと思いました。
最後に|数学者に億万長者はいない

数学者に億万長者はほとんどいません。
調べたら数学者からトレーダーに転身したシモンズという人以外は出てきませんでした。
公式を発見したり証明しても特許をかけてはいけないルールになっていて、
しかも人々の生活にすぐに役に立つこともないのでお金を得られないそうです。
お金にならなくても数学の研究を続ける人がいるのは、
やはり数学には人を惹きつける魅力があるからだと思います。
学問としてよりも雑学的な内容もあり、数学が苦手な人でも読みやすいと思います。
ページ数も多くないので読書感想文だったり、
何か読みたい、課題として何か読まないといけない方にもおすすめできます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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