今回紹介する本は、桜井進さんの 『感動する! 数学』 です。
2009年に出版された少し前の本ですが、今読んでも十分に楽しめます。
私は2010年に書店で働いていたとき、帯に書かれていた歌手の一青窈さんの「数学はロマン」という言葉に惹かれて手に取りました。
数学が好きな私ですが、この本は数学が苦手な人でも楽しめる内容だと思います。
むしろ「数学なんて難しい」と思っている人にこそおすすめしたい一冊です。
感動ポイント|数学の世界では不可能が可能になる

「紙を43回折ると月に届く」という有名な話を知っていますか?
実際には不可能ですが、計算上では確かに月まで届いてしまうんです。
- 紙の厚さを0.08mmとすると、折るたびに倍になります
- 42回折ると約35万km
- 43回目には約70万kmに到達
- 地球から月までの距離は約38万km
現実では絶対にできないことが、数学の世界では可能になる。
まさに「夢」や「ロマン」を感じる瞬間でした。
帯コメントの「数学はロマン」という言葉に深く納得です。
読んで思ったこと①|数学には「永遠に完璧」がある

この本を読んで強く感じたのは、数学には「人間には手に入れられないもの」があるということ。
それは 永遠に完璧である という点です。
歴史や科学は新しい発見で覆ることがありますが、数学は一度証明されたものが変わることはほとんどありません。
2000年以上前のピタゴラスの定理が今も揺るがないように、数学の世界には普遍的な真実が存在します。
読んで思ったこと②|人間らしさを感じる「6」

一方で数学には「人間らしさ」を感じる部分もありました。
それが数字の6です。
6は数学の世界では「完全数」と呼ばれます。
(自分を除く約数の合計が自分と等しくなる数。6の場合は 1+2+3=6)
ですがキリスト教の文化圏では「7」に一つ足りない“不完全な数字”とされています。
数学では完全、宗教的には不完全──評価が人によって変わる「6」という数字に、人間らしさを重ねてしまいました。
最後に|数学者に億万長者はいない?

面白いことに、数学者には億万長者がほとんどいません。
公式や証明に特許をかけることはできず、生活に直結するわけでもないためお金には結びつかないのです。
それでも多くの人が数学を研究し続けるのは、やはり数学そのものに抗えない魅力があるからだと思います。
この本は学問的というより雑学的に楽しめる一冊で、数学が苦手な人でも読みやすい内容です。
ページ数も多くないので、読書感想文やちょっとした課題本にもぴったり。
数学に興味がある人はもちろん、普段あまり数学に触れない人にもおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
感想やコメントをいただけると嬉しいです。


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