「十角館の殺人」という小説はみなさんご存知ですか?
この小説の実写ドラマを最近観てハマってしまいました。
原作も読みました。
とても面白かったのでその感想を、
原作と実写ドラマの違いと合わせて書いていきたいと思います。
みなさんがドラマを観ている前提で書きます。
登場人物に「くん」と「さん」がついたりつかなかったりですが、
自分の中で「つけた方がいいかな」というイメージでつけています。
「十角館の殺人」とは
綾辻行人(あやつじゆきと)さんが1987年に発表したミステリー小説です。
有名なので名前は聞いたことあった人は多いと思います。
実写ドラマはHuluのみで2024年の初めに配信されました。
とても反響があったようです。
配信はHuluのみでしたが、
2024年の末から年明けにかけて地上波で放送されました。
その後Tverでも配信がされまして、自分はTVerで観ました。
観たら面白すぎて2話目まで観たところで、
「ドラマで最後まで観る前に原作を読みたい!」と思いました。
「30年以上前の作品だしブックオフにあるだろう」
と思いブックオフに行きましたがありませんでした。
みんな同じことをしていたのかもしれません(笑)
調べたらAmazonでもらえるポイントを考慮した値段と
ブックオフで買った時の値段の差が100円もなかったので、
Amazonの電子書籍で結局買いました。
300ページ以上ありましたがおそらく合計4時間くらいで読み終えました。
「1日で1冊読めるんだな」と自分で驚きました。
実写ドラマでハマっていた影響もありますが、
一気に読んでしまうくらい面白かったです。
原作を読んですぐにドラマも観ていたので、
原作との違いにもすぐに気づくことができました。
江南くんの住むアパートの大家さん
ドラマだと江南くんが住むアパートの大家さん(濱田マリ)が1話目から登場しています。
この人物は原作だといません。
ドラマを見ていて「なんで追加されたんだろう。」と思っていました。
最終話まで観て「このためだったのか」とわかりました。
それは江南くんを立ち直らせるためです。
友人が6人も亡くなったことで
それまで考えていた事件のことを考えるのをやめた江南くんでしたが、
その江南くんに大家さんが声をかけます。
「やるべきことはやらなきゃ。あとで後悔することになる。」
この言葉を聞いて江南くんは事件について考え直すことになります。
このシーンを観てこのためだったんだと思いました。
この江南くんを立ち直らせることが、
他に誰ができたか考えても大家さんしかいないと思いました。
島田さんもできたかもしれませんが、
島田さんは飄々としていて他人に対して喝を入れるような人物では無いです。
それまでのイメージと異なるので島田さんではなかったんだと思います。
だからドラマではその役割を与えるために大家さんという人物を作ったんだと思いました。
ただ、そもそも江南くんは大学で事件について刑事の島田兄から
説明を受けたのを最後に原作では登場しません。
なので事件について落ち込む描写も
事件について考え直す描写も原作ではありませんでした。
なぜ江南くんを立ち直らせる必要があったのか、
そこにドラマでは表現したいことがあったんだと思いました。
ラストの江南くんの推理
ラストの海岸のシーンは原作だと江南くんは出てきません。
島田さんと守須くんの2人だけです。
「なぜ江南くんを追加したのかな」と思いました。
結論を言うと、
守須くんの感情が動くシーンを表現したかったんだと思いました。
江南くんの推理は外れていたのですが、
その推理を聞いた守須くんは中村千織とのことを回想します。
回想を経て守須くんには迷いが生じているように見えました。
起こした事件に対して後悔しているかはわかりませんが、
「中村千織はこう思っているだろう」と自分の中にあったものが揺らいでいるようでした。
このシーンを表現したくてドラマでは
大家さんと、立ち直る江南くんの設定を追加したんだと思いました。
個人的には追加されて良かったと思いました。
守須くんの感情が動かされるシーンを見れたからです。
原作では事件のことがバレているかどうかだけ守須くんは気にしているようでした。
ドラマで描かれたような感情の動きは原作ではそれほど感じませんでした。
感情が動くという人間らしさに
自分は惹かれ面白さを感じたのかもしれません。
あとドラマでの回想シーンにいた中村千織の悲しそうな表情が忘れられません。
最後に
皆さんはどう感じましたか?
もし原作を読んでないのであれば読んでみて欲しいです。
ここに書いた以外でも原作にはない部分があります。
この「十角館の殺人」は衝撃のセリフがありますが、
ドラマではそのセリフの前に溜めが入ります。
原作ではそういった溜めがないので、
衝撃度は原作の方が個人的には大きく感じました。
もちろん原作が先だったからだとも思います。
30年以上も前の小説ですが今読んでも楽しむことができました。
昔の作品だと時代が違うせいか自分の感覚の問題なのか、
自分は楽しめないことが多いです。
実は「十角館の殺人」は前から名前は知っていて、
面白いという評判も聞いていました。
でも「昔の作品だし楽しめなかったらどうしよう」と
躊躇してずっと読んでいませんでした。
読んでみたらとても面白かったのでおすすめできる小説です。
今回は「十角館の殺人」でしたが
この「◯◯館の殺人」はシリーズで現時点で9つの作品が出ています。
上下巻で分かれているものもあるので冊数でいうとそれ以上あります。
Huluでも「◯◯館の殺人」シリーズで他にもドラマ制作されるそうです。
これを機に他の作品も読んでみようかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
皆さんもドラマの感想などコメントいただけると嬉しいです!
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